北前船主の館・右近家 西洋館（国登録文化財）

“かわいい！”がぎゅっとつまった小さな洋館

日本有数の北前船主を生み出した、南越前町河野。古くから湊町として栄えた敦賀にほど近く、海岸線に沿って北前船主の屋敷が立ち並びます。

右近家も北前船で名をあげ、日本海五大船主にも数えられた旧家で、明治時代から昭和初期にかけて建てられた大きな屋敷が今ものこります。海側に土蔵を並べ、細い旧村道を介して山側に大きな主屋を構え、そして高台には赤い屋根の洋館がみえます。現在、「北前船主の館・右近家」として公開され、日本有数の北前船主による贅を尽くした屋敷をみることができます。

さて、見どころたくさんの右近家ですが、ここでは高台に立つ赤い屋根の西洋館をご紹介します！

和風で重厚な主屋、土蔵に対し、どこか愛らしい洋風建築の西洋館。昭和10年の建築で、鉄筋コンクリート造２階建、山の中腹にあり、海を臨むように立ちます。外観は、１階はクリーム色の壁で仕上げたスペイン風、２階は木組みの山小屋風の意匠で、内部も丁寧にタイル張りを施した暖炉や、アールを用いた優しいデザイン、そして洒落た照明など、思わず「かわいい！」と、ほころんでしまいます。さらに、海に迫り出すようにつくられた２階のバルコニー、船のステンドグラスの階段室、窓の外には海を眺める小便小僧と…素敵すぎます。

さぁ、この洋館が使えるなら、何をしましょう。結婚式の前撮り写真もドレスなら雰囲気抜群、コスプレイベントも大人気だったそう。また、小さなコンサートや、商品のカタログ撮影にもよさそうです。2階には和室もあって、ここでは会議もできます。ただし、高台にあるので、階段の上り下りが大変なことにはご注意ください。（もれなく素敵な景色が待っています！）

小さい建物ながら、ここならではの絶好のロケーションと、右近家のこだわりがぎゅっと詰まった洋館。福井が誇る洋館と言っても過言ではありません！普段も公開され、コーヒーで一息つくこともできますよ（コーヒーは別料金）。まだ知られざる穴場、ぜひ訪れてみてください。