出村北前茶屋

出村北前茶屋が立地する三国湊出村地区は、かつて芸妓でにぎわった茶屋街。江戸後期から明治にかけて北前船の寄港地として繁栄を極めた三国湊の、船乗りたちの遊興の場でした。細い路地が入り組む出村地区には、町家が軒を連ねる町並みが残ります。出村北前茶屋も町並みを構成する大事な町家。築100年（大正12年築）で、袖壁のある切妻平入の格子のある町家は、三国ならではの風情を醸し出しています。

元々は酒屋だった建物を、地元有志が「集う場がほしい」とリノベーションして、2021年4月にオープン。地区の皆さんにも愛され、憩いの場として活用されています。1階は地元ＮＰＯが運営するカフェとなっており、火曜日と金曜日にはカレーやおそばを提供。2階には、板間と改修前のしつらえをそのまま残した立派な座敷があります。

「オープンしたばかりだから、どうやって使っていくかはこれからなの」と、NPO代表の髙森さん。これまでも、映画撮影や小さなライブイベントなどに使ったそうです。

こじんまりとした建物ですが、2階の座敷と板間を使えば比較的広い空間に。ちょっとした集まりや、ワークショップ、英会話教室、アート展示会、ヨガイベントなど幅広く使えそうです。座敷の雰囲気を活かした写真撮影会にも。1階も営業時間外なら貸出ＯＫ。営業時間内でも音楽イベントを開いて地区の皆さんと一緒に、楽しく盛り上がるのもありかもしれません。